住宅ローン、変動金利か固定金利か?
家づくりのご相談を受けたら、まず初めに資金計画についてお話を伺います。
ほとんどの方が住宅ローンを利用されますが、
変動金利と固定金利のどちらを予定しているかお尋ねすると、
「変動金利」との答えが半分、「どちらとも決めていない」という方が半分。
「固定金利」と決められている方は、ごくわずかです。
条件が整えば、0.5%以下の金利でスタート可能なので、
変動を選ばれる方が多いのもわかります。
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今のお家賃と比べてください!!
不動産の広告で、よくこのような返済例の記述を見かけますが、
ほぼ間違いなく、変動金利で計算しています。
最近ローンを組んだ先輩や友人がそうだったから
という理由で変動金利を考えている方もおられます。
現在、変動金利の「店頭金利」(住宅ローンの基準となる金利)は、多くの銀行で2.475%となっています。
ここから金利優遇と称して、各行金利をディスカウントしているわけですが、
基準となる店頭金利そのものは、ここ20年以上ほとんど動いていません。(左図参照)
しかし、これから30年ないし35年のローンを組むにあたって、
このままの水準が続くと考えるのは危険だと、私は思います。
バブルの頃は、年8.50%という、今では信じられないくらい高い金利でした。
さすがにここまで上がることはないと思いますが、
では、いつ頃、どれくらい上がると予想すればいいのでしょうか?
残念ながら、私にはわかりません・・・。
バブル崩壊後の長いデフレ時代しか知らない若い方は、
物価が右肩上がりに上がり続ける、ということはあり得ないことと思われるかもしれません。
右図は公営家賃と民間家賃の推移です。
金利と同じく、最近20年だけを見るとほとんど同じか、むしろ下がっています。
しかし昭和50年を100とすると、平成28年は公営で約3倍、民間も約2倍の水準となっています。
(ちなみに、昭和50年(1975年)の大卒初任給は89,300円)
もし今後、仮に年平均1%家賃が上がるとすると、
10万円の家賃は30年後に約13.5万円(1.35倍)になります。
1.5%なら約15.6万円(1.56倍)です。
果たして30年後の物価や金利は、どうなってるんでしょうね・・・。
「超」がつく低金利の今、私個人的には「長期固定金利」をお薦めしています。
ただ、ローンシミュレーションをした結果、6~7割の方はそれでも変動を選ばれます。
なぜでしょう?
長くなったので、その辺りのお話は次回にします・・・。